2009年5月15日金曜日

介護職の処遇

2009.05.13 東京新聞・朝刊・本音のコラムより、転載。

斎藤 学さん(精神科医)の書かれた「介護職の処遇」より

『私の患者には介護関係職種で働き疲弊してしまった女性たちが多い。
今年の有効求人倍率(求職者一人当たりの求人数)は
0.52(3月)と悪化しているが、
医療・介護に限って言えば、
人手不足が続き1.73倍、東京に至っては3.55倍と逼迫している。
(朝日新聞、5月10日)

この職種には対人サービス固有の「感情労働」と呼ばれる側面があり、
そこが他の職種より厳しい。
そのうえ夜勤もある。
それでいて介護職の平均賃金は月21万円、全産業平均より10万円も低いのだ。
で、人材が次々と離れてしまう。

今の時代、私たちはいずれ、この職種の人々のお世話になる。
ベッドから離れられなくなり、
「他人様」のお世話にならざるを得なくなる。
そのことを直視しないですませているのは、
配偶者なり近親者なりが何とかしてくれるはずと考えているからだ。
それが甘い幻想にすぎないことは読者の周囲をみまわせばおわかりだろう。
そんな時には配偶者も近親者も老い、世話してもらうどころではない。

介護関係職種が、このような低賃金で放置されてきたのは、
私たちが現実から乖離した「家族依存」の幻想に浸ってきたからだ。
この不況期にこそ、思い切った社会保障費の拡大をはかり、
看護・介護労働者の待遇を改善し、
この分野を魅力的な職場へと革新すべきだ。』

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有料老人ホームで働いている長男のことは、
先日も書きましたが、
是非是非、看護・介護労働者の待遇を改善して、
魅力的な職場にして欲しいと、思います。

安心して、赤ちゃんを産めて、
安心して、年取っていける、
そんな社会になると良いなあと思います。

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